「靴底のカカトの外側だけが削れているので、身体のバランスが悪いですね」「外側荷重になってて、O脚気味ですね」と言われたことはないでしょうか。
実はそれ、間違いです。靴のカカトの外側が減るのはまったく悪くありません。むしろ、正しい歩き方ができている証拠なのです。
歩行時の足の動きを専門的に見ていくと、足が地面に着くときは「カカトの外側から地面に着く」のが正しい歩き方です。これは足の構造上、カカトがやや外側に傾く「回外」という状態の方が、着地の衝撃に耐えることがしやすいから。その後、その衝撃をうまく吸収するため、適切な「回内」という動作を経て、また「回外」になって蹴りだす。これが、正常な歩行のメカニズムです。
なので、靴のカカトが外側だけ減っているのは、正しい歩き方ができているサインになります。逆に、靴の内側や前足部分の外側も減っている場合は、歩き方に問題があるかもしれません。
あなたの靴底はどこが削れているか、一度チェックしてみましょう。
よくない削れ方をしたままの靴を使い続けてしまうと、正しい歩き方ができず、足や膝の痛みが治りづらくなってしまう可能性が高まります。姿勢にも影響するので、腰痛や肩こりの原因になることもあります。
もしあなたが体に痛みを抱えていたら、まずは靴をチェックしてみてください。もし靴底の削れ方が悪かった場合には、靴の改善や足の骨格を矯正する「メディカルインソール」を利用することで、歩き方とともに痛みも改善していくケースが多くあります。
今すぐ、専門医に靴と足をチェックしてもらいましょう!
日本足病学協会「足の知恵袋」Vol.010